TSURIPLEXのSです。
「メバルといえば冬の定番ターゲットでしょ?」
そう思って、寒風吹きすさぶ1月の堤防に立ち、ライトタックルを振っても……釣れない。
関東や西日本の釣果情報では「冬でもメバル爆釣!」なんて声が聞こえるのに、宮城では“渋い・釣れない・反応がないというケースが少なくありません。
ではなぜ、宮城の冬メバルは釣れないのか?
そして、どうすれば釣れる可能性を上げられるのか?
この記事では、10年以上東北の海で釣りをしてきた経験をもとに、宮城の真冬メバルが釣れにくい理由と、その対策方法を解説します。
■ 関東では冬が“ハイシーズン”なのに、なぜ宮城は釣れない?

▶ 一般的にメバルは「冬がベスト」とされている
釣り雑誌やSNS、YouTubeでも、メバルは「冬〜春の定番ターゲット」として紹介されることが多いです。実際、関東以南の地域では12月〜3月にかけて数・型ともに好釣果が狙える時期として人気です。
- 東京湾や伊豆半島、山陰、九州など:冬のナイトゲームが盛況
- 冬の澄潮と常夜灯周りに浮いたメバルをサイトで狙える
- ベイトを追って接岸する「産卵前の荒食い期」が重なる
この情報だけを鵜呑みにすると、「宮城でも冬にメバルが爆釣するのでは?」と期待してしまいがちです。
▶ しかし、宮城の真冬は“釣れない”ことが多い
ところが、宮城の1月〜2月にショアからメバルを狙っても反応は鈍く、数釣りは難しいのが実情。
- 釣れてもサイズが小さい(15cm以下)
- そもそもアタリがほとんどない
- 昼間は反応ゼロ、夜でも渋い
- 低水温に強い根魚(ソイ・アイナメ)すら口を使わない日もある
これは単なる「活性が低い」だけではなく、水温とエリア特性の違いが大きく関係しています。
■ 宮城の真冬にメバルが釣れにくい理由

▶ メバルの適水温と、宮城の海水温
メバルが活発にエサを追い、釣りやすくなる水温は【10〜15℃】と言われています。
地域 | 1月〜2月の平均水温 | 適水温との乖離 |
---|---|---|
東京湾〜三浦半島 | 約13〜15℃ | ○(適温) |
山陰・瀬戸内海 | 約11〜14℃ | ○(適温) |
宮城県沿岸 | 約6〜9℃ | ✕(低すぎる) |
つまり、宮城の海は真冬になると“メバルの活動水温を下回ってしまう”のです。
対して関東以南ではメバルが浅場での産卵シーズンを迎え、ハイシーズンとなる水温12℃前後を真冬に迎えるため、関東以南発信のメディアでは「メバルは冬のターゲット」と言われるのです。
▶ 活性が極端に下がり、岸寄りしない
水温が下がると、メバルは浅場に寄らず、深場の安定水温域にとどまる傾向があります。特に外洋に面した漁港や岩礁帯では、
- 表層の水温が極端に冷える
- 潮の動きも少なくベイトが接岸しない
- 小魚を追って動き回ることが減る
という要因が重なり、「いない・いても食わない」という状況が発生します。
■ 真冬にメバルを釣るための3つの対策

「じゃあ冬はあきらめるしかないのか?」
──そんなことはありません。ポイントや釣り方を工夫すれば、厳寒期でもメバルと出会うチャンスはあります。
① 深場が絡む“水温が安定したポイント”を選ぶ
真冬のメバル釣りでは、「水温が下がりすぎない場所」を選ぶことが重要です。
▶ 代表的なおすすめ条件:
- 水深がある堤防・テトラ帯
- 工場裏や温排水エリア
- 外洋から離れた内湾の入り口(波が穏やか)
- 常夜灯のある漁港(夜間の表層温度が下がりにくい)
メバルは一度居着くと移動が少ない魚なので、“水温が安定してベイトが残る場所”を見つけられるかが鍵になります。
また、宮城では牡鹿半島から北側は親潮の影響があるせいか仙台付近よりも多少釣れると言われています。
詳しく解説すると宮城沖は北から南に流れる親潮と、南から北に流れる黒潮が交わる場所で、親潮の方が真冬の水温が高いため釣り人の間では真冬は親潮の海流を受けると思われる場所に突き出た牡鹿半島北側が比較的良いポイントと言われています。
② “アクションは控えめ”が鉄則
低水温期のメバルは、派手なアクションでは喰わないことがほとんどです。
おすすめの釣り方:
- 1g以下のジグヘッド+小型ワーム(1.5インチ前後)
- リトリーブは超スロー or ドリフト気味
- アタリは「違和感」レベルなので即合わせしない
- カウントダウンしてボトム〜中層を丁寧に探る
この時期は“釣る”ではなく“拾う”釣り。数を求めず、1尾との出会いをじっくり楽しむつもりで挑むのが吉です。
③ 昼ではなく“夜の潮変わり”を狙う
冬メバルの活性が上がるのは、夕マヅメ〜夜間の満潮前後。潮止まりや風が強い日は極端に厳しくなるため、
- 風が弱く気温が緩む日
- 夜の満潮1時間前〜下げ始め
を狙って釣行することで、釣れる確率はぐっと上がります。
ナイトゲームならメバルより低水温に強いクロソイなどのゲストが期待できます。
■ それでも厳しいなら「船メバル」も選択肢!
どうしても真冬に“確実にメバルが釣りたい”という人には、船から狙う「沖メバル釣り」がおすすめです。
▶ 宮城の冬〜初春は“沖メバルシーズン”!
1月〜2月は、宮城県沿岸の水深70〜100mラインに大型のメバル(ウスメバル)が群れており、サビキ仕掛けで数釣りが楽しめます。
- 水深が深いため水温が安定している
- ベイト(オキアミ・小魚)を狙って活発に泳ぐ
- 仕掛けはシンプルで初心者でも挑戦しやすい
陸っぱりでは反応のない時期でも、船なら30cm級のメバルがダブル・トリプルでヒットすることも。冬でも満足度の高い釣果が期待できます。
水深が深いので電動リールがおすすめです!
2~4月は黒メバルシーズン
沖メバルがひと段落すると船は黒メバルシーズンに入ります。
黒メバルのポイントは深くて水深40m程度と電動リールを使わなくても楽しめるので取り掛かりやすいですね。
こちらもアベレージ20~25㎝くらいの良型が数釣り出来る魅力的な釣りです。
メバルは活性によって仕掛けを見切るので、いかに細いハリスで掛けるかなどゲーム性も楽しめます。
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■ まとめ:冬メバル攻略は“水温と場所”の理解から
宮城では、真冬のメバル釣りは確かに簡単ではありません。
しかし、その理由をしっかり理解し、適切なポイントと釣り方を選べば、寒さの中でも価値ある一尾に出会える可能性は十分あります。
▼ この記事のまとめ
- 宮城の冬の海水温はメバルの適水温を下回るため活性が低下
- 浅場よりも深場・内湾・温排水周辺を狙うべし
- 小さなワーム&スローアクションが効果的
- どうしても釣れないなら船メバル釣りも視野に
冬の厳しい状況の中で釣り上げる1尾は、格別の価値と感動があります。
ぜひ、自分だけの“冬メバルスポット”を探してみてください!
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