船釣りを始めると、「どのリールを選べば良いか分からない」と悩む方も多いはず。特に、ライトジギングやタチウオジギング、イカメタルなど複数の釣りを楽しみたい人にとって、汎用性の高いベイトリール選びは非常に重要です。
私は船釣りを始めた当初、先輩にタックルを借りることが多く、いざ自分のタックルを揃えていこうと思った時に最初に購入したのが、借りて使っていた感覚が良かったスパルタンICでした。お小遣いアングラーなので資金が限られているので「とにかく一台で色んな釣りに対応できるリール」というのも購入条件でした。
今回は、筆者が実際に使用して感じたダイワ「スパルタン IC 200H」の魅力を徹底レビュー。
PEライン2号を200m巻けるキャパシティと、優れた耐久性、操作性を備え、初心者からベテランまで満足できる「船釣り万能機」と言える性能でした。
■ 概要|スパルタン IC 200Hとは?

ダイワが展開する船釣り用小型ベイトリールの中でも、高剛性かつ高機能に仕上げられたモデルが「スパルタン IC 200H」。
公式スペックの一部を紹介します。
項目 | スペック |
---|---|
ギア比 | 6.3 |
巻き取り長さ | 70cm(ハンドル1回転) |
最大ドラグ力 | 5kg |
標準巻糸量 | PE2号-320m PE3号-200m |
自重 | 235g |
その他装備 | ICカウンター、水深アラーム、ATD、アルミボディ(ハイパーアームドハウジング) |
水深やタナを可視化できるICカウンターを搭載しつつ、高剛性ボディとATD(オートマチックドラグシステム)を備えた本格派の設計です。
スパルタン200は宮城近海の船釣り、ジギングで多用されるPEライン2号を300m以上巻けるキャパシティを持ち、効率よく釣りをするために欠かせない水深カウンターを搭載していることから多くの船釣りジャンルで活躍できるスペックを備えています。
船釣りに必要な機能を堅実に盛り込んだエントリーモデルという位置づけながら、フレームに金属を使用し高剛性、高耐久を実現するHYPER ARMED HOUSINGという仕様でクラス以上のタフさを持ち、魚の動きに対応して作動し自動でドラグを効かせるダイワ独自のATDというドラグシステムが採用されています。
自動でドラグが効き始めるというと使ってことがない場合、システムをイメージしにくいかと思いますが、ドラグを効かせ過ぎてしまった場合や、緩すぎた場合に自動でドラグを滑らせたりブレーキをかけることでライン切れやフックオフを防ぐことが出来ます。
実際に使ってみると手返し良く釣るためにドラグを強めに設定してたのに急に大物がかかって走られたといった時にドラグがかかり過ぎずに滑り出し、ラインブレイクを逃れるなど使っていて安心感があります。
ジギング、ヒラメ、メバル一台で様々な船釣りに使える万能性
スパルタンIC 200Hを使って最初に感じたのは、「この1台でかなり幅広く対応できるな」という安心感でした。
特に筆者が宮城エリアで実際に使用したのは以下の釣りジャンル:
- タチウオジギング(水深30~50m)
- イカメタル(水深40〜80m)
- 真鱈ジギング
- 黒メバルのサビキ釣り
- イワシ泳がせのヒラメ釣り
どれも問題なく対応。特に水深カウンターがあることで、タナを意識する釣りでは圧倒的に便利です。
カウンターがないリールを使っていた時は、一度ボトムを取って巻き上げ回数で大体の水深をつかんでましたが、カウンター付きの場合「ここに魚がいる」と分かったら再現性のある攻めができます。
ヒラメ釣りではサイズで引きの強さが全然違うのでATDが活躍しましたし、真鱈ジギングでは80~90㎝くらいの重量感たっぷりの真鱈を20本以上あげられたのはスパルタンICのタフさもあってだと思います。
PE2号300m+ICカウンター=近海ほぼ対応OK
このリールが「万能」と言われる大きな理由が、
PE2号を200m巻けて、ICカウンターで水深を確認できる
という仕様にあります。
水深100m前後までの近海釣りでは、PE2号で強度・操作性ともに問題ありませんし、300m巻ければライン切れや高切れ時の余裕も十分。
ICカウンターでは、フォール中のラインの出方や、巻き上げ時の深さも明確に表示されるため、
- 狙いのタナを正確に探れる
- 棚ボケが起こらない
- 仲間との情報共有がしやすい
といったメリットがあります。
イカメタルなどでタナが重要な釣りでは、特に威力を発揮してくれます。
実釣で感じた「タフネス」と「使いやすさ」
スパルタンICの特長の一つが、ハイパーアームドハウジング(アルミ製の高剛性ボディ)による「剛性の高さ」。
宮城のタチウオジギングでは、何十回もジャークと巻き上げを繰り返します。さらに青物が掛かるとかなりのトルクがかかります
軋みやガタつき一切なし。巻きの滑らかさも維持。
これはかなり信頼できるポイントでした。
また、ATD(オートマチックドラグ)によって、魚の引きに合わせてジワッとラインが出ていく感じが心地よく、バラしが減るのも初心者には安心材料です。
ハンドルの回しやすさ、クラッチの軽さ、カウンターの視認性など、操作性にストレスがないのも良いです。
シマノ「バルケッタ」との比較
汎用ベイトリールとしてよく比較されるのが、シマノ「バルケッタ」シリーズ。特に「バルケッタ300HG」などが競合機種として挙げられます。
比較項目 | スパルタン IC 200H | シマノ バルケッタ |
---|---|---|
自重 | 約235g | 約200g(軽量) |
巻き感 | 剛性感・しっかり目 | 軽快で巻き始めが軽い |
ドラグ | ATD(魚の引きに追従) | 音出し機能付き(ドラグ音が鳴る) |
ボディ | HYPER ARMED HOUSING(高剛性) | CI4+(軽量カーボン素材) |
水深カウンター | 搭載 | 搭載 |
◆ スパルタンICをおすすめしたい人
- 剛性重視で長く使いたい
- 青物やタチウオなど強い引きの魚に使いたい
- ドラグ操作に慣れていない初心者
- 複数のジャンルで一台を使い回したい
◆ バルケッタをおすすめしたい人
- 軽量リールで軽快に操作したい
- ドラグ音(ジィーッと鳴る)が好き
正直、どちらも非常に優秀なリールですが、「最初の一台で迷っているなら、スパルタンの剛性と安定感は安心材料になる」と実感しています。
ベイトリールの場合は本来高額なモデルにしかつかないドラグ音を低価格で搭載してるバルケッタも魅力的ですけどね。
■ 総評|最初の1台、買い替えにも間違いない一機

結論として、スパルタン IC 200Hは「船釣りオールラウンダー」な1台。
宮城エリアでの近海釣りでは、ほぼすべての釣りに対応可能です。
- 急な大物がかかる泳がせヒラメ
- タナ攻略が重要なイカメタルやテンヤ
- 引きの強いタチウオ、青物
それらを1台でこなせるリールは、そう多くありません。
そして、耐久性と剛性、扱いやすさを兼ね備えながら、実売価格は2万円台前半というのも魅力。
釣りの幅を広げたい人、最初の船用リールを探している人には、迷わずおすすめできるリールです。
最初の一台として購入して、後から上位モデルを購入したとしてもサブリールとして長く使えるいいリールだと思います。
私としては最初ドラグ音が出るベイトリールが欲しかったんですが、ベイトリールの場合ドラグ音が出ないのが普通で上位モデルにしかドラグ音ついてないんですよね。でも慣れたら気にならないしスパルタンには必要最低限の機能をしっかり押えた機能美があると信じています!
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